2018.01.29

私は人が好きでした8年前のあの頃までは人は裏切る生き物だと思っていませんでした8年前まだ私が15歳だった頃私のことを好きだと言ってくれた人がいました私もその人のことが好きでした性別は御想像にお任せします顔も合わせたことがない名前も知らない会ったことなんて勿論ない某ネットサイトとメールで架空の名前を呼び合いやり取りするだけの関係、現実世界で居場所が無かった私には其処が唯一の救いだった唯一の居場所だった私を好きだと言ったその人には忘れられない人がいました私のことなんて上の空だったその人は私に「いつかは離れないといけない」と何度も耳が痛くなるくらい言い続けてたでもまだ幼かった私は一生一緒にいられると思ってたその人が離れようと言う度私は泣きました嫌だと言いました私はその人にしがみ付いて何とか関係を繋ぎ止めていました何ヶ月一緒に居たかはもうあんまり覚えてない私はその人が好きでした大好きでした今になって思うと依存していく自分に酔い痴れていたんだと思うこの人だけは一生離れない一生私の傍にいるものだと確信してたその人が離れようと言った時私が泣けば戻って来てくれると思っていましたでもその人は段々私が泣いても許してくれなくなりました離れないでほしい独りにしないでほしいその一心だけで私は腕に傷を付けるようになりましたそしたらその人は心配して戻って来てくれました私が私を傷付ければその人は裏切らない離れない、そう思うようになりましたその時から事あるごとに自分の身体に傷を付け時にはその人の架空の名前や本名を自分の身体に刻み込みましたその人と離れたきっかけも私がとった行動ももう覚えてないけどその人はゴミ箱にゴミを入れるくらい簡単にあっさり私を捨てたことだけは覚えてるその頃から私は人が嫌いになりましたどうせいつかは裏切る生き物なんだと痛感しましたそれから私は私のことを好きだと言っていた違う人に縋るようになりました8年経った今はもう誰とも連絡を取っていませんこれは私の思い出だから誰かに全部話したら壊れてしまうから、だからこれ以上は話したくないです話すつもりもありません幸せだったか不幸だったかと問われれば昔の私はきっと幸せだったと言うでしょう8年経って年を重ねた私は分からないと答えると思いますこの前携帯を変えて連絡先が全部消えたときもうどうでも良いやと思いましたこれでやっと命綱が少しだけ無くなると思ったら正直ホッとしたでもきっと一生忘れられないと思う私にとって一生大好きで大嫌いで忘れられない人、どうか幸せに暮らしていますように、そしていつか私も幸せになれますように、全部全部架空の話